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絵本「えべっさま物語」

人形浄瑠璃「えびすかき」をご存じでしょうか。西宮を中心に、古くからえびす信仰とともに親しまれてきた伝統芸能です。室町時代から続いたこの芸は、明治の終わりに一度途絶えてしまいましたが、長い年月を経て「人形芝居えびす座」によって再び命を吹き込まれました。その活動の中から生まれたのが、絵本『えべっさま物語』です。公式サイト(https://ebisuza.com)では、この物語の背景や制作の想いが丁寧に紹介されています。

この絵本は、えびす座の初代座長・武地秀実さんが生前に書き上げた作品で、えびすさまの温かさと、人々に福を運ぶ心を描いた物語です。どこか懐かしく、それでいて新しい。「読んでいると、心の中がふんわり明るくなる」と評する方も多いそうです。ページをめくるたびに、柔らかな色合いの絵とともに、言葉のひとつひとつが胸に染みていきます。親子で声に出して読むと、まるで語り部がそばで語りかけてくれているような感覚になるのです。

人形芝居「えびすかき」は、ただの芸能ではありません。地域の人々の信仰や祈り、日々の暮らしの中に息づく“福の心”そのものです。えびす座の皆さんは、この古い芸能を「懐かしいもの」としてではなく、「今を生きる文化」として再び根づかせようと活動されています。その想いが、この絵本の中にも息づいているのです。

『えべっさま物語』は、子どもたちに読み聞かせるのにぴったりの一冊です。お話を通して、優しさや感謝、つながりの大切さを自然と感じ取ることができます。読み終わったあと、「えべっさまってどんな神さまなんだろう?」「人形芝居ってどんなふうに動くの?」と、親子の会話が広がっていくことでしょう。絵本をきっかけに、実際のえびす座の舞台を観に行ったり、地域の祭りや文化に興味を持つ子どもも増えていくかもしれません。

何より、この絵本を手に取ることは、「えびすかき」という失われかけた伝統の灯を、未来へつなぐことでもあります。誰かの笑顔を想いながら贈る一冊としても素敵ですし、地域の学校や図書館、コミュニティスペースにも置いてほしい本です。

ぜひ、公式サイト https://ebisuza.com をのぞいてみてください。えびす座の活動や上演情報、絵本の購入方法などが紹介されています。ページを眺めているだけで、えびすさまの笑顔がこちらに向かって「よう来たなあ」と語りかけてくれるような、不思議な温もりを感じるはずです。

伝統が、いま、絵本という形で私たちのそばに帰ってきました。どうぞ、そのやさしい物語に、心をゆだねてみてください。

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